表参道のバストアップサロンに通う現在私には婚約者がいる。婚約指輪も準備してくれているようだ。しかし「婚約」というものが腑に落ちずずっともやもやとしている。婚約とはこんなにも胸躍らないものなのだろうか。
私は恋人と婚活パーティーで知り合った。お互い初めて参加した婚活パーティーであり、おそらくお互いが初めての恋人である。婚活パーティーということもあり、付き合いだした当初から結婚のことは意識していた。相手も、ちょっとした会話の中で結婚後の話をしていたのでかなり意識しているようだった。
交際が1年ほど経った頃、相手が実家から出て一人暮らしを始めたこともあり、結婚の話題をすることが増えた。結婚式はどうするか、親に会ってほしい、結婚後はどこに住もうか、などなど。しかし、この間決定的なプロポーズの言葉はなかった。あったとすれば、私が仕事を退職し地元に戻ろうか考えていると相談した際「そしたら結婚難しくない…?」という言葉だろうか。自分の中でずっともやもやしてしまい、結婚についても本気で考えることが出来ずにいる。区切りをつけるために「きちんとプロポーズしてほしい」と伝えると、後日ホテルのレストランに連れて行かれ、花をもらいプロポーズされたが「仕事は忙しくて大変だけどどうにか頑張るから結婚してくれるとうれしい。心配なこともたくさんあるだろうけど頑張るので…や、こんなんで良いんかな…」と、ごにょごにょと言っていた。私は、ただ「結婚しよう」と言ってもらい、自分が「はい」と意思表示し、自分の意思を固めたいだけだったのだが、結局何だかもやもやしたまま「ありがとう」と言って終わってしまった。付き合いも浅いし、またお互い悪い意味で慣れてきているのかもしれないが、プロポーズも婚約も、はっきり言って全く嬉しくなかった。おそらく、相手が自分のしたいように演出し、したいようにプロポーズをし、したいように今後のプランを考えていて、そこに私の意思がない、というのが辛いのだと思う。私はただ、一緒に生きて行こう、と言ってほしかった。婚約指輪も、私は指輪が嫌いなので欲しくないのだが、相手は高いものをくれようとしている。いらないと言っても「えー…」と不機嫌そうにして終わってしまう。別れるほど嫌なところがあるわけでもないが、100%好きなわけでもない。それは相手も同じだろう。妥協点を探しながら、今後について考えていきたいと思う。